よるべなき心細さよ電話してみようか。いないな乞ふな求むるな
作者は宮柊二の夫人で、大正6年生まれ、現在、94歳。
きょう一日、誰とも話すことなく過ぎてしまった。
子どもや友人に電話でもして声を聞きたいな。誰かと話したいな。
いやいや、止めておこう。
電話をしたところで寂しさが消えてなくなるわけでもなし、誰かに何かを求めるのはよそう。
たとえ子どもであっても頼ってはいけない。
老いの一人暮らしの心細さが伝わってくる。
けれども、「いないな乞ふな求むるな」に、寂しさと同時にかすかなユーモアが滲む。
老いの心意気とでも言おうか、しなやかな強さがある。
最近、上記の歌とその解説を目にした。
私より二まわり年上の女性の見事な生き方に感動を禁じえない。
これからの人生の師と思い、老いても独立独歩の精神で生きていこう!
悩み、迷いの生ずるこの年に素晴らしい歌に出会えて有難かった。
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