2・3年前の話しになる。
歌を唄いに行っていた先で、意気投合する女性に巡り合えた。
一生のベスト・フレンドになろうと、お互いにそんな約束を交わした。
彼女は歌歴が長く、声も良く、
素晴らしい歌を歌える人だった。
容姿に独特な風情のある人で、一見、夢二の絵の世界を感じさせた。
それからは、食事に行ったり、お茶をしながら歓談したりと、
女性同士ではあるが、蜜月のように楽しい日々が続いた。
彼女からは、まるで恋文かと思われるような、熱いメールが再三届いた。
でも、それも、1年とは続かなかった。
今となっても、その理由さえも定かではない。
ある時、彼女の仲良くしている別の友人に宛てて書かれたメールを
それを受けたその人から読まされる事になる。
私に見せてくれたそのメールの全文を読んで唖然とした。
その内容たるは、延々と私の悪口の限りが書かれていた。
なんで・・・あの彼女が・・・
とても信じられるものではなかったが・・・
残念ながら、総て事実だった。
そして、友情はあっけなく終わりを告げた。
それから3年が経ち、先日彼女から突然のメールが届いた。
癌の検査で腸に癌が見つかり手術するというものだった。
自分の犯した罪を懺悔するメールで、詫びに徹する文章だった。
何が原因だったのか・・・それは記していなかった。
でも、もういい・・・
人は誰もが罪人である。
一生に一度も罪を犯さない人間などいないのだから。
手術が成功して、又素敵な歌が歌えるように祈っているとメールを返した。
今頃は手術が終わっているかもしれない。
元気になって、又何処かでバツタリ出会って、一緒に笑顔で歌が歌えたらと、
密やかに願っている。
私はもう、彼女をすっかり許しているから・・・
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