2016年2月2日火曜日


「小川」と言う駅の待合室でのことである。
待合室は暖房が効いていてガラス戸1枚外とは
段ちがいの暖かさであった。

ホームに電車が入ってくるまで、僅か5分待ちであったが、
ホームを吹き抜ける寒風に辟易としていた人々は競って
待合室に入っていく。
私もそんな一人であった。

待合室には12席ほどの椅子があり私には座れる席があった。
座っている殆どの人はスマホを広げて皆無表情のまま、
目と指だけが器械的に動く。
血の通わないロボットのようであった。

そこへ一人の風采の上がらない70歳くらいの男性が待合室に
入ってきた。
口元に笑みを浮かべ大きな声で云った。
「外と中とは大違いだね!
ここはアッタカイ! !」

しかし、誰一人として、その男性に目を向ける者はなく、
私だけが彼に目をやり一人頷いていた。

いつの頃からか、人間は総じてスマホやらに支配されてしまったようだ。
老いも若きも、電車の中でも何処でも、相手にしているのは、スマホ、ケイタイである。

家に帰れば、夫はパソコンの前に何時間でも座っている。
一体、人間はどうなるのだろう・・・

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